1. The Puzzle 2. The Dreams pass by the Windows (Ukraine Lullaby) 3. Piano Sonata No.7 3rd movement OP.83 (戦争ソナタ)Sergei Prokofiev Piano 小曽根 真 Bass 小川 晋平 Drum きたい くにと Trumpet 松井 秀太郎 on “The Puzzle” Alto Sax 中林 俊也 on “The Puzzle” “The Puzzle” 最近の僕はブルースが聴きたくて仕方がない。ジャズ=ブルースというのは行き過ぎかもしれないけれど、ジャズという芸術が時代とともに素晴らしい進化をして行く中、僕はその裏に聞こえるブルースという物語をどうしても聴きたくなる。 昨年発表した「OZONE 60」というピアノソロ・アルバムにはブルースを3曲も書いた。その1曲がこの「The Puzzle」で、今回一緒に演奏した小川晋平、きたいくにと、そして中林俊也と松井秀太郎という4人が紡いだ物語とそのグルーヴは、僕が若い頃から聴いてきた自分の大好きなブルースの匂いそのものだった。複雑なリズムやフレーズが行き交い、迸るエネルギーに巻き込まれながら進んでいく中で感じるこの「ブルー」が僕ら5人の心を一つに結ぶ。生きているからこそ感じられるブルースを!(小曽根) “The Dreams pass by the Windows” 「夢は窓辺を過ぎて」(ウクライナ童謡/民謡) 2022年6月現在、ウクライナはロシアからの侵攻を受け続けています。理由もわからないまま多くの命が失われ、多くの人が傷つき続けています。どんな理由があろうとも絶対に戦争を起こしてはならないということを共有出来ていたはずのこの21世紀において再び起こってしまった戦争。1日も早くウクライナに平和な日々が戻ることを、そして世界の平和を我々3人で心から祈り、この曲を演奏しました。この思いがウクライナの皆さんへ、そしてロシアの傷ついている皆さんにも届きますように。(小曽根) “プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第7番「戦争ソナタ」第3楽章 Op.83” ロシアの作曲家、セルゲイ・プロコフィエフが第2次世界大戦中に書き下ろした曲。この曲もピアノ・ソロアルバム「OZONE 60」にソロで収録した曲。ソロで録音した時はまだ戦争は起きていませんでしたが、その悪夢が現実になった今、戦時中にプロコフィエフがこの曲を通して人々に伝えたかったことを、再びジャンルやスタイルのボーダーも超え、これからの時代を創造する若い音楽家二人と共に僕の信じる形で表現しました。破壊ではなく、創造のエネルギーを感じて欲しい。(小曽根) 小曽根さん、くにととのトリオでの初演奏初レコーディングでした。お互いのタイム感や音楽性を各々がすぐにキャッチし、あっという間にバンドとしてのサウンドが創りあげられました。Prokofievのピアノソナタやウクライナ民謡というジャンルの異なる音楽をジャズミュージシャンとして消化し表現するという難題を、今の自分にできる最高の形で録音できたと思います。そして小曽根さんのオリジナル”The Puzzle”では秀太郎と俊也の2管も加わり、ジャズの王道とも言えるスウィンギーで白熱した演奏になりました。ジャズでありながらもジャンルの壁を飛び越えた縦横無尽なこの音楽は必聴です。(小川)