'90年代中盤、CDスキップを使用したエポック・メイキングな実験電子音響作品を世に送り出し、エレクトロニック・ミュージックの新たな可能性を提示し続け、世界中にフォロワーを拡散させた独ベルリン在住の音楽家、オヴァルことマーカス・ポップ。 70曲以上収録の2枚組アルバムだったにも拘らず、日本でもベストセラーとなった2010年発表の復活作『o』以来となる、オヴァルとしてのプロパーなアルバムが完成。 豊かで様々なニュアンスが感じとれる、幻想的なヴォーカルをフィーチャーし、「ポストR&B」という新たなカテゴライズで括られそうな、ファンキーでダンサブル、ハウシーでソウルフル、万華鏡のようにカラフルな、オヴァル流クラブ・トラックを全編に収録。 軽やかで鮮やか、圧倒的に心地よく、オヴァルの作品の中でも最も「ポップ」な作品でありながらも、マーカスが常に挑戦的なイノヴェーターであり続けていることを実証するかのように、緻密かつ複雑なリズムの配置と重合による斬新かつ精密なビートを編み出し、非常に刺激的なサウンドを創り上げている。過剰な洗練とカジュアルな複雑化による、オリジナリティ溢れるキャッチーなグルーヴは圧巻で、荘厳でエモーショナルな部分は「ポストEDM」まで予感させる。 イタリア語で「たまご」を意味するuovoとooを足した造語、UOVOOOというマーカス自身のレーベルからのオヴァルの初リリース作。